瀬上:うーん、特にない。(苦笑) 「サカつく」はアクションゲームではないわけで、もっと落ち着いた曲が必要な場面が多いのは分かっていたけれどね。 だいたい第一印象を具現化するのが自分のやり方だったりするので、いつも通りに頂いた資料を目にして、思い浮かんだものをカタチにする流れで。 シーンにマッチするような感じで作れたらいいな、とは思っていたけどね。
馬場:実際に、そのイメージの中で今回、注意して曲を書かれた点って何かありますか?
瀬上:パッと流れていってしまう場所と、多くの時間を費やす場所があるよね。 前者に関してはツカミのインパクトがあった方が良いと思うし、後者に関しては落ち着いた中に、頭に残るメロディを入れられたら、という点には気を留めたかな。
馬場:なるほど。オープニングの曲もそうですけど、アコースティック系の曲がかなりいい感じで僕は好きなんですけど、たとえば、オープニングの楽曲は、だいたいのイメージがあってのスタートでしたか? それとも、ムービーのコンテをご覧になってからの閃きでしたか?
瀬上:ムービーのコンテを見て、だね。 淡々と進むけど、終わりに向かってだんだんと盛り上がりを付けよう、みたいな狙いで。 それにしても、今回のムービーはコンテから実際に絵が上がってくる過程が楽しかったね。 今までに無い感じのイメージの映像だったし、ああ、ここがこう動くのか!みたいな新鮮な驚きもあったし。あがってきてみたら、尺が違っている?といった青くなるような驚きもあったけどさ!(苦笑)
馬場:いやはや、申し訳ありません(平謝り)。でも、オープニングなんかは、ある意味、絵がみえてきて尺もある程度指定されるので、それに合わせてできるところがあると思いますが、他の曲に関してはテキストでモジュール名をお渡しするだけ、という、ある意味「無茶振り」でお願いしていましたからね(苦笑)実際にご苦労されている点はどういうところでしょうか?
瀬上:今回は、まずは「サカつく」というイメージで、短いアイディアをいっぱい作って渡したよね? それの中で選んでもらったものを、それぞれのベクトルに沿って仕上げて行く流れで進めたのだけど、それぞれのシーンに曲のアイディアが当てはめられた時点で、だいぶ方向性が見えていたから楽だったよ。 あとはやっぱりドラマーとベースを使って、ほぼ全曲を生でレコーディングしたじゃない? アレでだいぶ曲の雰囲気が変わったんじゃないかな。 自分は作っているときから、ある程度の最終形は見えているけど、他の人は完成形を聴くまで分からないところだったりするしね。
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瀬上 純プロフィール
名前: 瀬上 純
所属: (株)セガ クリエイティブセンターサウンドセクション所属 セガ・オブ・アメリカ内セガスタジオUSA在籍中
自己紹介: ソニックアドベンチャーをはじめとするソニックシリーズ、NASCARやセガラリーシリーズなどのレース、そしてスポーツタイトルをメインに手掛けているセガのサウンドクリエイター&ギタリスト。 バンド系のサウンドを得意とし、元MR.BIGのエリック・マーティンなど、海外のアーティストとの交流も深い。自身とジョニー・ジョエリとのプロジェクト、Crush 40としても活動中。(http://myspace.com/crush40rock)
ソニックチャンネルで、スタジオUSA通信も好評連載中。
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