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第9回コラム
「プレイヤーと監督」
J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5
ディレクター 馬場 保仁

前回は、オシム氏に関する書籍を紹介いたしましたが、今回も監督にまつわるものです。
今回、この新作サカつくをつくる、となったときに、まず考えたのが、

プレイヤーである自分
キャラクターとして監督

の棲み分けをどうするか?ということでした。「サカつく」シリーズは、代々プレイヤーの皆さんは、「クラブ代表」として、ある意味、

「なんでもできる立場」

で辣腕をふるってこられました。それが楽しいということで、シリーズをおうごとに、

「やれること」

が増えてきたと思いますが、その反面、相当にインタフェースに注意しないと煩わしくなるという感じで、痛し痒しな状態になっていたのは、否めません。
反省はこれくらいにして、話を元に戻しますと、

自分で決定すること
COMの監督に任せてしまいたいこと

をどう切り分けるのか?と、いうところが、難しいと悩みました。実際、やりたい方は全試合ご覧になって、細かく選手交代、戦術変更、システム変更などをしたいわけですし、したくない方は、勝てるなら、すべて監督に任せてしまいたいし、、、となるわけですから。。。しかし、試合数が年間30〜40試合にも及ぶと、現行のゲームデザインでは、やはり、試合を全部見てプレイするというスタイルはどうしてもかなり少数派になってしまうでしょう。
で、そんな方々にも、できるだけ「自分の手で動かしている感」をもっていただくためにできたのが、「ゲームプラン」だったわけです。

エディットもできるし、任せれば、監督がある程度、やってくれるわけですから。

あとは、COMの監督がどうしても必要な要素をいくつかつくりたい、というのが今回の目標でした。いくつかは、実装できましたし、いくつかは、いろいろな事情で今後のシリーズに先送りしたものもあります。考え付いたものをすべて実装することが、必ずしも良いゲーム、面白いゲームになるとは限らないからです。「蛇足」という言葉や、「バランス」という言葉があるように、「適度」な状態というものがなんにでもあるということです。

ですが、そんな中、今回最初にかなり関心をそそられた書籍がありました。

欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑

単行本: 191ページ
出版社: 東邦出版 (2006/01)
ASIN: 4809405079

サッカーの監督の特徴や違いがいくつかのデータによってまとめられているものです。
システムやクラブの選手構成が違うので、一概には言えませんが、それでも各監督の

好み
特徴

は、やはりよくでていると思います。特に、時間帯別選手交代とシステム変更のデータが見ていて非常に楽しい。不謹慎ですが、楽しい、面白いです。選手の動きが悪ければ前半からでも、ガンガン選手の交代をしかけてくる監督もいれば、無駄に交代枠は使わないで、時間稼ぎや負けているときに、ようやく重い腰をあげるような監督もいることがよくわかります。それは、もちろん、選手の構成によって、できるサッカーが限定されることもあるので、100%その監督の好みかどうかはわかりませんが、トップクラブであればあるほど、資金も潤沢でしょうから、好みの選手構成にはできていると思うので、やはり、一部のトップクラブの監督は、好みの傾向がでているのではないでしょうか?

このあたりを読んで、自分でも●●監督風ゲームプランを組んでみるのも面白いかもしれません。それでは、今回はこれまで。

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