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第13回コラム
「サウンド対談」
J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5
ディレクター 馬場 保仁

馬場:ほんと、そうですね。え!?こんな感じの曲になるの?って思いましたもの。でも、クリエイティヴなものって、創っている人間には、過程でもその最終形のイメージがあるものなんですよね。ガチっとまではいってなくても、なんとなくな部分で。それがないとゴールが迎えられないので。ゲームづくりも近い感覚のところはありますし。さて、話変わって、今回、実は、わかる人にはわかるっていう仕掛けがあるじゃないですか?

瀬上:ん? なんのこと?

馬場:あれですよ、あれ。 初代「ビクトリーゴール」の楽曲がアレンジされて2曲実装されているじゃないですか?

瀬上:あ、あれね。

馬場:数ある曲の中から、「エンディング」と「練習実行後」の2曲に「ビクトリーゴール」の曲をアレンジして使用しているわけですが、10年近く前の音源を自分の曲を振り返ってみて、どんな感想をもちました?

瀬上:いやー、久しぶりに原点に立ち返らせてもらった感じで楽しかったかな。 シンプルでソリッドでね。 でもね、本当に青いのよ、特に演奏が。(苦笑) 前のバージョンはね、もう恥ずかしくて自分では聴いていられないの。 勘弁してください!みたいな。(笑) そういう意味では、どちらも好きな曲ではあったし、新しいバージョンを作れて良かった! いや、本当にそういう機会を作ってくれてありがとう、っていう感じです。

馬場:いえいえ、楽しく仕事ができることが大切ですし、それに、やっぱ「ビクトリーゴール」の曲って好きな人多いですからね。前にこのコラムで対談した「忍者増田」さんというライターの方も「ビクトリーゴール」の曲は大好きだとおっしゃってましたからね。では、少し毛色をかえた質問で、瀬上さんの音楽的ルーツに関してお聞かせください。 いろんな楽器をさわってこられたと思いますが、どういった経緯で音楽にふれてこられたのでしょうか?

瀬上:それはソニックチャンネルのクリエイターズインタビューを見てください!という返答じゃダメ?(笑)
http://sonic.sega.jp/creators/007_first/index.html
http://sonic.sega.jp/creators/007_latter/index.html

馬場:では、皆さんにもそちらをご覧いただくとして(笑)。今回、「サカつく」のサウンドを新たに創っていただく際に、なにかインスパイアされた音とか、新しい楽器とかチャレンジとかありましたでしょうか?

瀬上:チャレンジということになるかどうかは分からないけど、今までに携わったどのプロジェクトよりも、アコースティックギターをよく使ったね。 もちろん、そういう狙いがあったからなんだけどさ。 でも、トラブルも多かったよね。 メインのアコースティックギターは落として割っちゃうしさ、エレアコ用のレコーディング用の機材も、デモを作り終えて、いざ本番のレコーディングというときに電源が入らなくなっちゃうしね。 そんなこんなで、興味があったけど試していなかったモデリングのアコースティックギターを手に入れてみて、それで全部レコーディングしてみたよね。 ギターのようでギターじゃない楽器というか。(笑) でも、それすらレコーディング途中で、間に入れる電源を供給するペダルが動かなくなっちゃたりして、思い返すと、本当に機材に関してはトラブル続きなプロジェクトだった! もう散々だ!(苦笑)

馬場:色々なトラブルがあったんですね(苦笑)。さて、この先も、僕がつくろうシリーズに携わっていく時には、瀬上さんにサウンドをお願いしたいと思っているのですが、1つお願いがあるんですよ。ロックの源泉にあるブルーズをある程度フィーチャーした楽曲で次はお願いしてみたいと思っているんですけど、可能でしょうかね?

瀬上:可能だとは思うけど、そもそも、なんでブルーズなの?

馬場:もちろん、個人的にHardRockが大好きなんですけど、最近、ブルージーなものもいいなって思うんですよ。メロディラインにきれいに音がはまっていない感じのところが心地よくて。 もちろん、あまり古典的なブルーズになってしまうとゲームというメディアのスピード感とあわなくなってしまいそうですから、程度はあるでしょうけどね。

瀬上:なるほど。 確かに今までにゲームではあまり使われていない類の「心地良さ」というのを音で演出することは出来そうな気はするね。 ブルーズをベースにしたギタリストではロバート・クレイとか聴いたりするけど、自分ではプレイしないからなぁ。 今の自分には無いタイム感が必要だったりするし、それはチャレンジのし甲斐がありそうな感じかも。 ちなむと最近の好きなギタリストはフィリップ・セイスという人なんだけど、カッコいいよ! 今の自分のベクトルとは全然異なるけど、ああいうストレートなギタートーンのカッコ良さというのは追求したいよね。

馬場:ほほぅ。それは聴いてみないといけないですね。ふふ、でも、いつ、また次をお願いできるかわからない上に、実はそのときにはやりたいことがかわっているかもしれませんけどね(笑)。 それこそ、もっと、POPでテンポのよいThe Veronicasみたいな曲で全編お願いします、というかもしれませんからね。

瀬上:お、それはいいねー! それは、それで望むところだよ(笑)

馬場:本日は、ながらくありがとうございました。また、よろしくお願いします。

瀬上:うん、またやろうね!

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