サカつくDS ワールドチャレンジ2010 ラモス瑠偉の冗談じゃないよ

SEGA サカつくDS ワールドチャレンジ2010

第4回:理想のチ-ム作りとは?

 チ-ム作りは、日本代表でもクラブチ-ムでも一筋縄では行かない。個性的な選手をひとつの方向に意識付けし、力を発揮させるには、監督の手腕に依る部分が大きい。ラモス瑠偉も日本代表やクラブで、チ-ム作りの難しさ、結果を出すことの難しさを経験してきている。



ラモスさんイメージ#1

--ラモスさんは、ヴェルディで2006年から2年間、監督をしました。J2からJ1昇格という難しいミッションの中、何が一番大変でしたか?

「当時は、J2だからっていうのもあったけど、とにかく結果を求められた。だから、長期的なチ-ム作りをするのが、なかなか出来なかったね。選手の起用も俺の目指すサッカ-ができるかできないかで決めていたもん。できないなら使えないし、かといって若い選手を育てる余裕もない。結果を出さないとクビになるからね。時間的な余裕がないからベテランの力を借りるしかない。だから、2年目の時、名波(浩)、服部(年宏)、土屋(征夫)らベテランの選手を呼んだ。」

--彼らには何を期待したのですか?

「もちろん即戦力としてだけど、ベテランは若手の尻を叩いてくれるからね。ラモスは、こういうサッカ-をしようとしている、こういうことを要求している。そういうのをベテランの選手は若手に教えてくれるし、チ-ムが苦しい状況の時には、選手たちにブレないように話をしてくれる。そういう意味でベテランの力がすごく重要だった。」

 ラモス監督率いるヴェルディは、シ-ズン途中7連敗を喫するなど難産の末、2007年、J1に昇格した。では、日本代表でのチ-ム作りは、メンバ-構成において、どう考えていたのだろうか。

「ド-ハの時は、選手個人の意識も高かったし、ベテランも吉田(光範)、勝矢(寿延)、都並(敏史)とかけっこういたからね。沢登とか若い選手もいたんで、メンバ-的にはベストだと思ってた。ただ、次のファルカンの時は、若手に世代交代した感じだった。前年にド-ハで負けてたので、アジア大会で若手を使うのは分かるけど、いきなりたくさん入れてもチ-ムはうまくまとまらない。だから、俺はド-ハの選手を中心にチ-ムを作ればいいと思っていた。そのメンバ-の中に若い選手を5、6人入れてやれば絶対に負けないチ-ムを作れたと思ったけどね。」

ラモスさんイメージ#2

--ラモスさんに声はかかったのですか?

「ファルカンが声を掛けてくれた時は、嬉しかった。最初は行くつもりでいたけど、アキレス腱を痛めていたからね。それに若い選手が多かったので、どうかなって思ったけど、やっぱり日本のためにプレ-したい気持ちが強かった。スタメンは難しいけど、後半の30分ぐらいならやれるかもしれないと思っていた。少しでも貢献したかったけど、アキレス腱の調子があまりにも悪かったんで、最終的に辞退した。」
 1994年、アジア大会に挑んだ日本代表は、ド-ハ組はカズ、井原正巳、柱谷哲二ら数名だけ。レギュラ-に抜擢された岩本輝雄、前園真聖らそのほとんどが20歳前後の若い選手ばかりだった。

--チ-ム作りは、経験のある選手の中に若手を入れていくやり方が望ましいですか。

「だと思うよ。特に時間がない時はね。ある程度、時間的な余裕が与えられる時は、若い選手を多く入れてもいいと思う。」

ラモスさんイメージ#3

--ベテラン選手の重要性とは?

「単純に、経験があって、サッカ-をよく知っている。大きな舞台の試合や難しい試合になると若い選手は実力を発揮できなかったり、ビビったりするけど、ベテランは経験があるので、どんな状況にもどんな試合にも対応できる。それがチ-ムにとって、どれだけ大きいことかってことだよ。」

--日韓大会の時の代表には、最後に中山選手、秋田選手が入りました。ここでもベテランの存在がクロ-ズアップされました。

「必要だったんだよ。あの時の主力は、みんな若かったからね。しかも、直前の海外遠征(ベルギ-戦)で負けてチ-ムが動揺していた。ベテランは、選手が悩んでいる時、苦しんでいる時、自分の経験から、あの時、この選手が同じことで悩んできているからこうした方がいいよって、きちんとヒントを与えてくれる。そういう話をするだけで、若い選手はすごく救われるんだよ。若い選手ばっかりだったらヒントを与えることができないし、ドツボにはまったらどんどんドツボにはまっていく。大会中にそうなるとなかなか抜け出せない。だから、ベテランの力が必要になるんだよ。それは、今の代表にも言えることだね。」




 ドイツ大会の時はベテラン不在ゆえにチ-ムは混乱した。今の日本代表の主力は、30歳前後と若くはないが、全体を見て、ラモスや中山、秋田のようなベテランが見当らない。果たして、歴史はどういう審判を下すのだろうか。

<次回に続く>


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