サカつくDS ワールドチャレンジ2010 ラモス瑠偉の冗談じゃないよ

SEGA サカつくDS ワールドチャレンジ2010

第2回:俺らがフランスへの道を繋いだ

 ラモス瑠偉が、日本代表として活躍したのは、1990年から1995年の6年間だ。全32試合に出場し、1得点を挙げている。ゲ-ムメ-カ-として数字には表れない活躍をし、チ-ムに大きな影響を与えた。そのラモスの印象深いシ-ンのひとつとして思い出されるのが、ド-ハで戦ったアジア地区最終予選、韓国戦後の彼の姿勢だった。



ラモスさんイメージ#1

--1-0で勝った韓国戦後、選手が泣いて喜んでいる中、一人だけ「泣いている場合じゃない。まだ、試合が残っている」と、怒った姿が印象的でした。

「当たり前だよ。まだ、何も決まっていないんだからね。それに韓国に勝つためにド-ハに行ったわけじゃない。韓国に勝ったからといってアメリカにいけるわけじゃない。最後にまだイラク戦が残っていたし、それに勝たないと何の意味もないからね。泣いている選手の気持ちも分からなくはないよ。これまでなかなか韓国に勝てなくて、コンプレックスを持っていた。みんなの気持ちの中に、いつかは韓国を倒すんだっていうのが強くあって、それが大舞台で実現できたからね。それで、すごく嬉しかったんだと思うけど、そこで泣くことはないだろって思った。そういうところで流す涙はちょっとイヤだった。まだ、終わってない。みんな、もっと強くなれよって思ったね」

--ラモスさんは、韓国へのコンプレックスはなかったんですか?

「俺は、韓国へのコンプレックスも何もないよ。92年のダイナスティカップの決勝でも韓国に勝って、優勝したしね。海外の大会で優勝したのは、俺たちの代表が初めてだった。92年のアジアカップも優勝した。アジアチャンピオンは、俺たちなんだっていうプライドもあった。ド-ハの時も韓国戦は、ただの1試合。韓国に勝つのが目的じゃないんだよ。まだ、目的を達成していないんだから一喜一憂している場合じゃないと思った」

ラモスさんイメージ#2

--アメリカに行けなかったのは?

「神様が、このチ-ムはアメリカに行くべきではないと考えたから。それだけ。でも、俺はあの時の日本代表は、今でも一番強いと思うし、魅力的なチ-ムだったと思う。みんな、高いプロ意識があったし、日の丸を背負ってその重みを理解し、全力を出し切って戦うという強い心を持っていた。それは、選手だけじゃなく、オフト監督、清雲コ-チみんなだよ。だから、すごい戦いが出来た。今の代表はサムライブル-とか言われているけど、俺らのチ-ムもサムライだったよ」

--もし、アメリカに行けてたら?

「すごく嬉しかったと思うけど、満足はしないだろうね。満足して、安心したらサッカ-は終わりだよ。今の選手は、適当なところで満足せず、もっと高みを目指してほしい。俺は、引退するまで1度も満足なんかしたことがなかったからね」


 ド-ハから4年後、日本はフランス行きを決めた。最終予選の最中、ウズベキスタン戦後の加茂周監督の更迭、岡田武史監督の就任など紆余曲折があり、プレ-オフに流れるなど苦しんだ末の最終予選突破だった。

ラモスさんイメージ#3

--もし、ド-ハ組がフランス時の日本代表だったら、すんなり予選突破できたと思いますか?

「出来たよ。あんなすごいサポ-タ-がついているし、ホ-ム&アウェイになってホ-ムで戦えるわけじゃない。俺らのチ-ムは、日本でなら絶対に負けない自信があった。93年の時だってセントラル方式じゃなく、ホ-ム&アウェイだったら間違いなくアメリカに行けたと思う。逆に、フランスの時の代表がセントラル方式だったら予選を突破できたかどうか分からない。かなり難しかったんじゃないかと思う」

--最終的に、フランスに行けた理由は何でしょう?

「神様が日本代表にご褒美をあげたんだよ。俺たちは、ド-ハで一生懸命戦ったけどアメリカに行けなかった。フランスの時の日本代表もプレ-オフに行くまで苦しんだ。神様もそれを見ていたからね。93年の俺たちの頑張りがなかったら、97年の日本代表は、たぶんプレ-オフでイランに負けていただろうね。俺たちが培ってきたものの上にフランスの時の代表が立って、予選突破できた。俺は、そう信じている」

--自分たちがフランスの道を創った。

「当たり前だよ。それだけの戦いを俺たちはやってきた。いつも死ぬ気でギリギリの戦いをやってきた。でも、アメリカに行けなかった。俺たちを行かせなかったことに神様が後悔して、フランスに日本代表を行かせてくれたんだよ」




 ラモスの言うことは、あながち間違ってはいない。アメリカにあと一歩という苦い経験があったからこそ加茂監督の更迭など非情さを持って対処し、フランス行きの切符を掴んだ。ラモスたちは、日本サッカ-が世界の飛び出す歴史の先駆けになったのである。

<次回に続く>


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