サカつくDS ワールドチャレンジ2010 スペシャルインタビュー 小野伸二選手

SEGA サカつくDS ワールドチャレンジ2010

——日本と欧州のサッカーの違いは、どういうところで感じますか。

「僕が思うに、試合でも練習のようにプレーできるところですね。試合になるとうまい選手でもミスったりするけど、海外の選手は試合の時も練習と同じような意識でやり続けているし、ひとつひとつのプレーをすごく大事にする。しかも、どんなにプレッシャーがかかっていても練習と同じように止めて、蹴ることができるし、いつも通りにプレーすることができる。それは、本当にすごいなって思いますね。技術的には、日本人の方が器用だし、うまいと思うけど……」

小野選手イメージ#1

——練習は、日本とは違いますか。

「試合みたいで、すごい激しい。ケガしちゃうんじゃないかっていうぐらいガツガツ削りに来ますからね。日本は、ケガさせちゃまずいっていう感じがあるんで、そこまで激しくない。どっちがいいのかは分からないけど、練習の中でも厳しいプレッシャーがあった方が、試合の中でも自然と出来ることは確かだと思います」

——海外の選手が試合でも練習と同じように自然とプレーできる理由は?

「何も考えていないからじゃない(笑)。日本人は、ちょっと考え過ぎてしまう。これしちゃいけないとか、プレッシャーを感じて、それに負けてしまうことが多いかな」






 小野は、オランダのフェイエノールトで4年半、ドイツのボーフムで2年間、プレーしてきた。隣国でありながらスタイルが異なる2ヵ国のサッカーは、どういうところに違いがあるのだろう。



「オランダは、どっちかというとボールを繋ぎながらサイドから展開するパスサッカーな感じ。ドイツは、ロングボールでFWに当てて、こぼれたところから展開していくダイナミックな感じかな。僕がいたオランダのフェイエノールトは、パスサッカーだったんでボールを触りながら展開できるから楽しかったけど、ドイツは頭の上をボールが通り過ぎていくことが多かったからね。なかなかサッカーやっている満足感は得られなかった。僕は、やっぱりボールにたくさん触れられるサッカーの方が好きですね」


——欧州で評価される選手というのは。

「自分を強く持つというか、自分のスタイルを貫く選手。周囲を気にするタイプは、なかなか評価されにくい。自分の我を強く押し出して、それがいい方向に転べばすごく評価される。最大の評価ポイントは、ゴール。これは、もう絶対的ですね」

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——約6年半、海外でプレーした中で、一番の思い出は?

「UEFAカップの優勝ですね。決勝の舞台が自分たちのホームグラウンドで、相手がドルトムントというドイツのチーム。隣の国でお互いにプライドがあって、絶対に負けたくないっていう中で優勝できたんで、すごく価値のあるものだと思うし、そのピッチに立てたというのは、すごく嬉しかった。1年目のシーズンで、まさか決勝の舞台に出れるとは思っていなかったしね。あと、印象に残っているのが、UEFAで優勝した後、チャンピオンズリーグ優勝クラブと戦うスーパーカップで対戦したレアル。ジダンがいて、すごいメンバーだったし、ボールにほとんど触れなかった。1ー3で負けたけど、まったく歯が立たなかったですね」







 小野は、2006年に一度、レッズに復帰しているが、海外から見た日本は、彼の目にどのように見えたのだろうか。



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「2006年にレッズに戻ってきた時に感じたのは、個々の選手のプレーの質が上がって、能力も高くなったということですね。でも、一番変化を感じたのは、レッズのサッカー。戦術的に、すごく高い位置からプレッシャーを掛けるサッカーをしていた。以前は、そんなイメージまったくなかったんでね。あと、環境も大きく変わった。クラブハウスとか新し くなってビックリした(笑)」

——日本の選手の質は向上しているが、欧州の国に勝つのは難しい。日本が世界で勝つために必要なこととは何でしょう。

「気持ちでしょ。外国人って、ボールを取られたら、削ってでも取り返すという気持ちが強い。でも、日本人は取り返そうと思う気持ちはあるけど、削ってまでという感じじゃない。それに日本は、海外の国と比較すると小さな国だし、海外からはなめられている部分がある。そういう部分を技術的なうまさでカバーするんじゃなくて、ひとつのボールに食らい付くという強い気持ちを持って戦えば、結果も変わっていくと思う」


——昔からそう思っていた?

「いや、昔は違いましたね(苦笑)。日本代表に入ったり、海外でレベルの高いチームと戦ったことで気持ちの重要性を始め、いろんなことが分かってきた」

<記事2に続く>


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