サカつくDS ワールドチャレンジ2010 スペシャルインタビュー ドラガン・ストイコビッチ監督

SEGA サカつくDS ワールドチャレンジ2010

 長年、ゲームメーカーとして華麗なテクニックでファンを魅了し、旧ユーゴ代表時代は攻撃的サッカーの核だったドラガン・ストイコビッチ。名古屋の監督になっても圧倒的に攻撃して勝利するスタイルを貫く。
監督としてのキャリアを歩み始めたストイコビッチが見る現在の世界のサッカーの趨勢、日本代表が世界で勝利するための方法とは、いかなるものなのだろうか。



——先日、チャンピオンズリーグでは、インテルがバイエルンを破って優勝しました。ここ数年は、マンUやチェルシーなどのプレミア勢とバルセロナなどスペイン勢が上位を占めてきましたが、今回はイタリアとドイツが決勝に残りました。この現象をどう捉えていますか。

ストイコビッチ監督イメージ#1

「国ごとの格差が以前ほど、なくなっていると思います。もともとサッカーはグローバルなスポーツですからね。しかし、ハイレベルでハイクオリティな試合を見せられる国は、イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランスという枠組みは変わっていない。
その中で、差が出てくるのは、経済的な部分に因ります。経済的な予算が大きなクラブが勝つのは、ある意味、当然でしょう。投資ということで多くのお金が入ってくれば、監督は質の高い選手を獲得することができる。そうすれば、ファンがエキサイトしてワクワクするようなサッカーをしながら勝利することが可能になります。ただ、経済的に余裕のあるクラブが必ずしも勝てるとは限らない。たとえば、選手に多大な投資をしてきたレアルマドリードは、国内リーグすら取れていないですから」

——インテルは、勝つことに撤したサッカーをしていました。現代のサッカーで勝つために必要なことは、何でしょうか。

「現代サッカーで必要な要素は、3つあると思います。パワー、スピード、耐久力。これに戦術を監督が考え、その戦術を浸透させ、質の高い選手が監督の意図を理解し、それぞれが役割に撤する。それをやり切れるクラブが勝っている。インテルなどは、まさにその典型でしょう。そのために何をしなければならないかというと、サッカーのあらゆる局面に対応したトレーニングをすること。現実の試合に促したトレーニングをすることが、すごく重要だと思います」

ストイコビッチ監督イメージ#2

——では、選手に必要とされるものは、何だと考えていますか。

「現代のサッカー選手に必要とされるのは、フットボールインテリジェンスというものです。よくフィジカルが必要とか言われるが、それは、もともと兼ね備えているものがベースになる。足の遅い選手が、いきなり足が早くなったりすることはないですからね。インテリジェンスとは、頭を使うことができること、チームのことを考え、献身的なプレーができるということです。アーセナルのベンゲル監督は、そういうインテリジェンスを持った選手を獲得してきている。それを持った選手が入れば、コンビネーションの質も上がります。また、バルセロナの選手もインテリジェンスを持っています。DFの選手は、しっかりした技術を持っていて、FWよりもボールをコントロールしていますからね。あれだけ美しいサッカーをするためには、インテリジェンスにあふれた選手が必要だということです」


——監督の現役時代とは、必要とされるものに変化がありますね。

「そうですね。サッカーも昔と比べて、非常に複雑になりました。前は、サッカーは11対11の2チームに分かれて戦うシンプルなスポーツでしたが、今はいろんな要素が関わってきます。相手の特徴、セットプレーや戦術は、事前に分析できるようになりましたし、どう戦えばいいのかを選手に明確に伝えることができるようになりました。非常に先鋭化し、洗練されてきている感があります」

ストイコビッチ監督イメージ#3

——現在、興味のあるクラブはどこになりますか?

「アーセナルとバルセロナですね。バルサは非常に洗練されたチームです。トップ中のトップだと思いますし、インテリジェンスを感じさせる選手が多い。インテルは、ミランやユベントスのようにコレクティブなサッカーをしていますし、3冠を取るなど結果を出している。敬意は表しますが、個人的には好むサッカーではありません。圧倒的に攻めて、ゴールして勝利する。攻撃的で美しいサッカーが私の理想です」

——監督は、1994年に日本に来て以来、長年、日本サッカーを見て来ています。ここに至るまでの日本のサッカーを、どう見ていますか?

「私が初めて日本に来た16年前と比較しても、またここ10年と比較しても非常に進歩しています。徐々にですが、戦術的にも成熟してきていると思いますね」



<記事2に続く>


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