サカつく6|株式会社セガ

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう6 Pride of J

スペシャル対談|Special Interview

サカつく6スペシャル対談 | 山田理一郎×城崎雅夫×久井克也

「サカつく6スペシャル対談」最終回の今回は、「サカつく6」の若手開発スタッフで、山田に命じられ、ゴール裏を陣取る応援団に潜入取材を試みてきた、いずれも企画社員で3年目の城崎と2年目の久井をゲストに迎えて、その時の体験についての話を聞いた。チャラ男(城崎)とひさお(久井)の名前で体験時の様子を克明に記したブログ「みるみるサッカーが好きになっていく。~Jリーグ応援団突撃体験記~」は、サッカー応援業界のタブーに迫る、と一部で話題に。2人はゴール裏で何を見て、何を感じてきたのか。ブログでは明かせなかった生の声を聞いてみた。

若手社員2人とセガとの出会い

山田 今日はオレが進行役ということで。じゃあよろしく。

久井・城崎 よろしくお願いします。

山田 まず、二人がセガに入った経緯から教えてもらおうか。まずは、城崎から。

城崎 言いにくいんですけど…。担任の先生が、「お前はセガっぽいから」って言って、勝手に履歴書送って受けるはめになって、受けてみたら受かったっていうのが正直なところなんですけど。お金がなかったんですよ、学生時代。僕、実家が京都で、大阪の専門学校に通っていたのもあって、東京で就職することは考えてなかったんですよ。東京まで出るだけでお金がかかるし。

山田 どこに行きたかったの?京都だと、やっぱり任天堂?
第一CS研究開発部 第1企画セクション所属。2007年セガ入社。企画として「龍が如く 見参!」「龍が如く3」に携わり、「サカつく6」ではネットワーク仕様やシーン作成を担当。
城崎 第一志望はカプコンでした。カプコンと任天堂を受けてて、二次審査まで行ってたんですよ。で、行ってた段階で、先生がほんとにセガに勝手に履歴書出しちゃったから、セガを受けることに。一次は大阪だったんで受けたんですけど受かったから…。最終的にセガに受かったので、他は、もう辞めにしたんです。

山田 リアルな就職活動記だな(笑)。じゃあ、久井は?セガに入った経緯を。

久井 僕は、公務員志望でした。親が、公務員になれっていう希望があったのもあるんですけど…。

山田 全然違うじゃん(笑)お前の親御さん、公務員なの?ちなみに。

久井 いえ、全然。会社員です。公務員って言っても、もともとは博物館学芸員になりたいと思ってて。大学で、学芸員の資格取得の課程をとっていたんですね。それで、学芸員の資格だけはとったので。で、役所の教育委員会とかに文化財を扱う課があったので、そういうところで働いてみたいな、と。新宿区役所のインターンとかも行ったんですよ。そういう体験を経て、その仕事もなかなか面白そうだなー、とも思ったんですよ。でも、一方で、昔から何かを作ったり、絵を描いたりすることが好きだったので、何か、そういう創造的な仕事もしてみたい、みたいなのがあって。

山田 ああ、なるほどね。

城崎 そこでなんでゲームなの?

久井 ゲームじゃなきゃダメだってことはなかったんですけど…。

山田 クリエーターっぽいことがやりたかったんでしょ?

久井 そうですね。そういう職業への憧れは強かったんだと思います。で、途中で公務員試験とかも面倒くさくなってやめて…。で、まあいろいろ、ゲーム会社とか、他業種の会社もみていたんですけど…そしたら、たまたまセガの企画で大学の先輩がいて。サークル活動で前から名前くらいは知ってる感じで、友達伝いに紹介してもらって。そこからスタートですね。そういう縁もあってセガの面接を受けることになったんですけど、面接受けたら一次の面接官が山田さんだった。

山田 ああ、俺が一次面接だった。覚えてる。「シムアース」のパクリみたいな企画書を出してきた。

久井 そうですね。面接のときに、「これ、シムアースだろ」って言われました。

山田 そう。「シムアース好きなの?」って。

久井 好きですねって。実は、やったことなかったんですけど(笑)まあ当時本当に一番入りたかったのはコーエーさんなんですけどね。

山田 お前もか、コラ!!SEGA愛を示せよ!!

久井 まあでも、不思議な縁は続いて、一次の面接官だった山田さんが、入社してみれば、企画の新人研修の担当官で。研修時からお世話になりました。研修では仕様書の書き方を学んだり、企画書を書いてプレゼンしたりってことをやって、それにいちいち点数をつけられるっていう感じで。

山田 新人研修のお前の点数はひどかったもんだけど(笑)。

久井 ひどかったですね(笑)。

山田 点数はひどかったけど、まあ、こいつは鍛えればいけるかな、っていう感覚はあった。しかも、好みのゲームのタイプ的にも、多分シミュレーションゲームは合っているだろうな、と思ったから。やっぱり「サカつく」はシミュレーションゲームなんで。企画を頑張らないといいゲームにならないことが多いからね。そういうタイプ的にも欲しいかなと思っていたんで、まあ丁度いいかな、と。

久井 で、研修後、アサインされたのが「サカつく6」。今、山田さんが言われたようにもともとシミュレーションゲームが好きだったから、特に違和感なく「サカつく」に関わることになった感じですね。

山田 ようやく「サカつく」につながってきたね。じゃあ次は、まず「サカつく」に入る前の「サカつく」というゲームの印象について聞いてみようか。

「サカつく」を語る

山田 で、まあ久井はプロジェクトの立ち上げからいたけど、サカつくに入る前、サカつくというゲームの印象はどうだった?

久井 正直なところ、ほとんど印象はなかったです。プレイしたこともなかったし。そもそもが、サッカーに特に興味がなかったんで。

山田 うん、でもね、俺らの世代の時はそうじゃなかった。要するに…サッカー好きじゃなくても流行ったんだよ、あの時は。Jリーグブームで、「サッカー」が流行りだったから。で、やっぱりやってみたら「サカつく」って面白い、と。オレは本質的には「サカつく」って誰にでもできるゲームだと思っているんだよね。まあ確かにシミュレーションゲームなので、最初とっつきにくいというか、簡単なゲームじゃないんだけど、別に、操作が難しいとかではないじゃない。テクニックを要するような操作は要求されないわけだから。そういう意味ではよっぽど「龍が如く」の方が難しいかもしれない。「龍が如く」をクリア出来ない人と「サカつく」をクリア出来ない人との割合で言ったら、「サカつく」をクリア出来ない人のほうが少ないと思う。まあ今回の「6」はちょっと難しかったかもしれないけど(笑)。シミュレーションゲームなのにそれなりの人気を博してきたっていうのは「誰でも遊べる」ってところが結構大きかったんじゃないかと思うんだよね。
第一CS研究開発部 第2企画セクション所属。2008年セガ入社。入社後、企画として「サカつく6」チームに配属され、サポーター獲得やクラブのプロモーション等、経営部分全般を担当。
久井 それは僕も感じましたね。僕がアサインされるって決まったときに、僕が「サカつく」をプレイしたことがないっていうことで、「サカつく04」をプレイして、10年か20年くらい回してとりあえずJリーグ優勝しろっていうのが、命題で。しばらくは、会社来て朝から退勤時まで、ずっと「サカつく04」やってましたね(笑)。で、僕、サッカー知らなかったわけですけど、全然楽しめるなって。育成ゲームとして。知らない選手でも育っていくと愛着が沸くというか。後追いで、ネットで調べたりして、その選手がどんな選手か知る、みたいな。調べても出てこなくて、オリジナル選手だったなんてこともあったんですが(笑)。

山田 そうなんだよね。いつも「サカつく」のジャンル分けで悩むんだけどさ、本質でいえば、やっぱ、スポーツシミュレーションじゃないんだよね。スポーツ系のシミュレーションじゃなくて、育成ゲーっていう要素がすごい強い。そこに「サッカー」っていう要素が乗ってるって感じなんだよね。「フットボールマネージャー」っていうPCのゲームがあるんだけど、これはすごくシミュレーション色が強い。そして、「サカつく」よりもサッカークラブ経営としては「リアル」な感じかな。

久井 あれだけストイックなシミュレーションゲームもなかなか…

山田 ないよね。確かにすごいサッカー好きな人にはあれはいいと思うんだけど、「サカつく」があのスタイルだと厳しい。そういう意味では、厳密に言えばやっぱり「サッカーのシミュレーション」ではないんだよね。「サカつく」は。じゃあ、城崎は?

城崎 まあ「サカつく」…僕もあんまりやったことはなかったので、僕も最初、「サカつく04」をやるところから始まったんですけど。あと、「サカつくDS」ですね。「サカつくDS」は40年くらいやってますね。しかも、「DSのがおもしれー!」とか言ってやってたんですけど。

山田 結局今はどう?やっぱりDSの方がいい?

城崎 やっぱりDSの方がいい。選手が年齢によって衰退しないし、まどろっこしい契約交渉とかしなくていい。選手の管理も楽だし。

山田 それはやっぱりそうだろうな。お前のタイプ的にも。

久井 僕なんかは、逆で。普通の「サカつく」の方が、個人的には好き。自分のクラブの黄金時代を築いた選手が、やがて衰退して引退して行く…っていうような。なんていうんですかね。侘び寂び的なところが好きですね。

山田 そっちはそっちで、久井っぽい。まあだから、「サカつくDS」にはそういう、選手獲得の楽しさとか、シンプルな楽しさを突き詰めてほしいね。本家の「サカつく」のわずらわしい部分を排除してね。

ブログ「みるみるサッカーが好きになっていく~Jリーグ応援団突撃体験記~」の活動を通して

山田 まあふたりとも、若手でよく頑張ってもらったわけだけど、やっぱりハイライトと言ったらあのゴール裏の突撃体験記。まあ、あれが無かったらキミらを別に対談に呼ぶ意味も全くないわけで。

最初行ったのが横浜F・マリノスのゴール裏だったよな。あそこのリーダー格の人と知り合いになったんで

「とりあえず、ゴール裏にウチの若手を送り込むんで、面倒見てもらえませんか?」とメールを打ったら 「それはすばらしい試みですね」って返ってきたんで、まあやったんだけど(笑)。

まず、行く前。行く前の印象としては?
城崎 僕は全然ポジティブでした。目立てるし。

山田 まあそういうの好きだもんね。

城崎 はい。ポジティブでしたよ。……その、電話、かけるまでは…。
まあ、基本的に、ね、上司に言われたことは、僕はやるんで。文句を言う前にやるタイプなんで。基本的には。

山田 お前、でも、そこまで従順じゃない気がするんだけど(笑)。そう言うけど、従順にみせかけといて、やりたくないことやらないっていう。汚れられないタイプだよな。ちょっとイケメン風だからって格好つけてんだろ。久井は?

久井 僕も、興味はありましたね。というのも、この時点でファジアーノ岡山のことを応援していたんで。なので、サポーターの活動には興味がありました。あと、ゲーム内のサポーターの獲得とか、サポーターからコアサポーターへの変化とかっていう部分の仕様を書いていたので。実際にはどうなんだろう、っていうか、どんな人達だろうと。行くまでは本当に、想像の世界だったんですよね。サポーターがどういう活動しているかっていうのは。想像で仕様を書いてた。

山田 そうだね。でだ。まあ行ってみてどうだったかっていうのは?

城崎 まあ・・・特別好きじゃないクラブのゴール裏で飛び跳ねるのはマジで辛いですよ・・・。サポーターの人たちは当然、愛があるわけですからいいですけど、僕らの場合、基本的にはそのクラブには思い入れがあるわけじゃないですから最初は「仕事だから」って思ってたんですが・・・。だんだん面白くなってきました(笑)。

久井 僕はまあ最初から結構、楽しんでいましたけどね。

山田 ネタ的に面白ければ…なんでもやるという。
まあでも、ファーストインパクトがでかかったんだろうな。だって城崎なんか、帰ってから「やばいっすよ」ってずっと言ってたもん。「あれやばいっすよ、ヒドイ目にあいましたよ」ってずっと(笑)。

久井 いやインパクトは半端なかったですからね。いまでこそ、慣れたところもありますけど・・・。

城崎 多少のことでは驚かなくはなりましたね。

山田 まあ・・・オレだったら行かないな。

城崎 ヒドイ!

山田 やっぱり、印象に残ったのは…最初?

久井 僕は、そうですね。最初が一番印象に残っていますね。

城崎 僕は川崎かな。やっぱりナビスコも行ったし。2試合行ってますからね。劇的な勝ち試合と、印象的な負け試合の両方を味わうことができた。なかなか出来ない経験でしたからね。

久井 ああ、そうだ、ゴール裏ではないんですけど、僕の中で一番良かったのはやっぱりファジアーノ岡山の木村社長にお会いできたことですね。でも…。僕が提案した企画が、まったく行われる気配がないですね。毎日HPチェックしてるのに。

一同 (笑)。

山田 あと、なにかいろんなクラブとゴール裏を見て感じたことはある?

城崎 マリノスとか、ガンバとか、オリジナルテンの余裕?を感じましたね。もともと最初からJリーグにいるクラブの応援団は、なんか余裕がある感じがします。歴史なんですかね。なんかね、うまく言えないんですけど・・・フロンターレとかFC東京とか、ちょっと違う感じ。

久井 フロンターレなどは、頑張って本当に地域に密着させようっていう意識が強いのかなっていう風に感じましたけどね。

城崎 そう、なんかいい意味で発展途上な感じがする。そういう試行錯誤をしてる段階でいろいろやってるんですよって感じがあるんですけど。ガンバとかマリノスとか、もうなんか、割と固まってて。なんだろ、成熟されてるのかな。ゴタゴタしないんですよね。試合前とか。

山田 へえ。そうなんだ。

城崎 もうすごい慣れている感じでしたよ。ガンバなんか特に、開場する前に「ガンビーノ」のところにガッと集まって、今日の担当は、あなたはじゃあ席取りで、あなたはダンマク入れでってもう的確にパパッと決まって、じゃあ行きますか、って準備して。並び順も決まってるわけですよ。席取る人が一番前で、後ろに荷物持って走る人がいたりとか。あとね、僕がお世話になった「ガンビーノ」と、もうひとつの団体のリーダーのやりとりなんかも、もうなんか、漫画なんじゃないかっていう握手の仕方で。「今日も一発カマしましょう」みたいな。ああー怖ええーって(笑)。

久井 確かに、でもこれってどこのクラブでもそうですけど、大げさですよね、動きが(笑)。

山田 やっぱり熱いんだな、心が。

城崎 体育会系ですよね。上下関係がきっちりしていて。

久井 僕、やっぱそういうの好きなんですよね(笑)。なんだか、そういう感じ。

印象に残ったエピソード

山田 じゃあ、この取材を通して印象に残ったエピソード的なところを挙げてもらおうか。

城崎 僕はやっぱりあれですね。ナビスコの入場時のゴタゴタですかね。ブログでは書ききれませんでしたが…。

いやー、これは文字にできない、やべ、マジこええって(笑)。
城崎 あとは、川崎のコアサポーターのTさんという人のキャラの濃さが・・・。

久井 とにかく最初は怖かった。「誰だ?お前ら」みたいな感じで。

城崎 良い人なんだけどね。部外者の段階ではすごい威圧感だったよね。仲間になった瞬間に超甘くなって(笑)、一度中に入ってみたら、いまでもいろいろイベントに誘ってくれて、お付き合いをさせてもらってます。

山田 久井はやっぱマリノス?マリノスが一番インパクトあった?

久井 マリノスはそうですね、なんか…最初のこう…GEDOに会った時は、本当に。ピロティで集合してるときに最初に会ったヘッズの人達は一見穏やかそうな雰囲気で。あれ、なんかそんなに思ったほどじゃないな…。って肩透かしを食らった感じになった直後に「で、あちらが、GEDOなんで」って、明らかに異様なオーラを放った方々が奥にいらっしゃって。

城崎 でたでたっていう。

久井 あの人たち、仲間なんだって(笑)。

山田 お前たちのブログを見返してみるとやっぱ、あそこが一番面白い(笑)。最初の回が一番面白い。

久井 だから、僕自身のビビり方もなくなってきてるんですよね。回を経るごとに慣れてきて。

城崎 ただ、いろいろ行くことによって、他のクラブの話をすることが怖いっていうのはありました。ウチは他と違って…みたいなのとか、あそこは好きじゃない、みたいな話とかをお互いがお互いのことを言い合ってるとか。やっぱりサポーター同士でこういうのもあるんだ、と。いろんなところに行くと思いますね。まあこの辺はブログには詳しく書けないことですけど。

あとは…地元愛は本当に感じますよ。おらが村のクラブじゃないですけど、そういう自分の地元のクラブを応援する姿勢、その想いの強さっていうのは本当に感じます。

山田 そういえば、城崎は地元が京都なのに、京都サンガを応援しないっていうのは、なってないな!久井はちゃんと岡山を応援しているのに。

城崎 うーん、なんだろう、個人的にはあんまり「地元」のイメージがないんですよね。

山田 なんか京都人はそういう盛り上がりはないのかな。

久井 アイデンティティが他にいっぱいあるんじゃないですか?特にサッカーに求めなくてもいい、というか。

山田 なるほど。それはそうかもな。誇るものがいっぱいあるもんね。京都はね。岡山はどうなの?

久井 なにもないことはないんですけど、岡山はやっぱり根付きやすい気はしますね。

山田 「桃○郎ランド」があるもんね。

久井 「桃○郎ランド」は、ないです。

一同 (笑)。

山田 それは声を大にして言っておかないとね。みんな誤解してると思うよ。

久井 そうなんですよね…。東京に来てから、毎回聞かれますからね。大事なことなのでもう一度言うけど、「桃○郎ランド」は、ない。

城崎 …あの…「桃○郎ランド」って…なに?

山田 「桃鉄」で、岡山の物件で出てくるじゃん。あれ、ひょっとして「桃鉄」やったことない?

城崎 ないです。

山田 だめだよ、「桃鉄」やんないと。すっごい楽しいよ(笑)。

話がずれたけど・・・。他には?

城崎 まあなんでもそうですけど、やっぱライブ感って言うのは。行ってみないと絶対分からないところかな、と。試合なんてテレビで観たほうが、絶対わかりやすいんですけど、やっぱりその場のね、なんていうんですか。どういう空気で試合が行われているのか。試合前、試合後とか。そういうのは、クラブのどこのホームでやるかっていうので色が違ったりとか。入場時の演出がクラブごとに違うとか。あと、どれくらいゴール裏とそうでないところの温度差があるのか。

久井 それは、ブログでもいっぱい反響がありましたね。川崎編とかで。あのブログのコメント欄は、自分としてはすごく勉強になった。サポーターと一口に言っても、いろいろな人がいるなあ、と。

山田 確かにその辺、難しいところだよね。まあ「サカつく6」でも、ゲームの仕様固めるときにそこ、悩んだんだよな。まず「サポーター」と「ファン」って区分けするのかとか。それが、宗教論的なとこがあったりするわけじゃない。「サポーターとはなんぞや?」的な。

ゲーム内でも「ファン」から「サポーター」になるっていう見え方だと、やっぱりサポーターの方が偉いのかみたいな。そういう見え方をしちゃうと困るな、とちょっと懸念してたんだけど・・・。

久井 ゲーム的には、面白いと思うし、自分でも気に入っている部分ですけどね。

山田 まあ、ゲーム内でいう「サポーター」は要は「リピーター」だからね。サポーターって言ってもゴール裏にいる人達だけじゃない。難しいところだったけど、ゲーム内ではそう落ち着いた、と。どれだけ一見さんを集めて、「リピーター」にするかっていうところをゲーム化したという感じ。

久井 次また仮に「サカつく」に関わったとして、今回の体験が、ダイレクトに何かに役立つかは分からないですけど。でも、じわじわと効きそうなんですよね。うまく表現出来ないですけど。

山田 結局なんでもそうなんだけど、ただサポーターグループのところに行きましたって言って、それをじゃあ、「もっとゲーム内にサポーターの雰囲気を出しましょう」っていうのは楽しいんだけど、企画屋としてはやっぱりダメだと思う。それは、ゲームに何が求められているかとか、ユーザーが何をしたいかっていう観点から考えるべきものであって。その中で、「これがいい、悪い」ってなったときに、これはなんか、感覚で、あの体験で出会ったサポーターの人たちはどういう反応をするかみたいなところが、肌感覚でわかるかどうかっていうのはすごく大事なとこだと思う。今までの「サカつく」ではそこを外してるなって思うところがあったりするわけよ。Jリーグをずっと見てる人が本当に求めていることはなんだろう、というところで足りないかなっていうのはちょっと思っていたんだよね。だから、細かいレベルでも埋めていけたら。例えば地域ごとにどこかに違いがあったりとかさ、クラブ毎に違う部分があるとか。そういうところが、本当の意味ではもっともっと出てきてくれていいんだよね。

久井 なんかでも、そういう部分が、感覚で分かるようにはなっていってるとは思いますね。

山田 実際には、ライセンス商品だからさ、37クラブのサポーターに本当に喜んでもらえるようなものを入れようと思うと、それはまあ壁が高くて大変なんだけど。本当はやりたいんだけどね。もっとなんかその、37クラブのプッシュしたいものとかをさ、入れてみたりとか。こっち側からもJリーグに何か貢献できるようなことができるといいんだけどね。

久井 全部の、37クラブのサポーターの団体に集まってもらって、応援コール入れたりとか。

山田 すごくやりたかったんだけど、確実にモメる(笑)。なんでウチのチャントが入ってないんだ?みたいな話は絶対出るだろうなあ~。

城崎 平等には無理ですよ。同じクラブの内部でもいろいろとあるのも見てきたし。

久井 そうですね…。でもそういうのも行って初めて知りましたよね。

城崎 行ってみないと分からないっていうところでは、もともと、その自分の応援するクラブにいた選手がどこかに移籍した時なんかは、その選手の移籍先クラブと対戦したときに相手のクラブにもともといる選手に対してはブーイングをするのに、移籍した、元自分たちのクラブの選手に対しては拍手をするっていうのとかは行かないとわかんない。

山田 ああ、なるほどね。

城崎 ガンバで言えば、今シーズン、播戸がセレッソに移りましたけど、多分セレッソとやった時も、ガンバのサポーターは、播戸の名前が呼ばれるときは 拍手だと思いますよ。でも家長とかは・・・違うんだろうなあ。

山田 サッカーは移籍が野球と比べると自由だから、たしかにそういう反応は野球ではシチュエーション的に少ないかもね。ゼロではないけど。サッカーファンは、選手は移籍をするものだっていうのは分かっているから、その中でどういう捉え方をするのかは人それぞれ違う気がする。

とにかく、現場の空気に触れられたってのはいいことかな。この体験では。「サカつく6」というタイトルに関してプロモーションという意識は全然なくて、「Jリーグについて何も知らないやつらが、この体験を通して成長して行く」という、のはお題目的に見えるかもしれないけど実は本当にその狙い。Jリーグってなんなの?っていうのが、やっぱり行かないと、行ったとしても、観客席から観てるだけだとわかんないこといっぱいあるんだよね。バックスタンドで観るよりも、ゴール裏で観る方がなんか、違うものがある。

城崎 逆に僕ら一回バックスタンドで観てみたいんですけど。

山田 まったり観れるよ。

城崎 まったり観るとどうなんだろうっていうのが知りたい。

山田 ただ観るだけだよ。やっぱりね。ただ、サッカーの展開はよくわかる。

城崎 逆にゴール裏にいると、良くわかんない。もう、フラッグも上げまくって、ピッチが見えないし。

久井 だからサポーターの人たちも、ゴール裏にいる人達は別段サッカー知らない人たちというのも結構いるんですよね。

山田 ああ、そうかもね。

久井 応援して、みんなで盛り上がるのが楽しい、というような人とか。そういう意味ではサッカーに対する愛っていうよりもやっぱり地元愛の強い人が多かったですね。まあ、そっちが多いかどうかは分からないですけど、多そうな雰囲気。

山田 まあね。だって、サッカーについて語りたかったら、あんなところから観てたら分からないんだもん。

城崎 俊輔帰ってきてからマリノスの試合見たいけど、ゴール裏はもういい(笑)。

山田 おーい、待ってるって言ってたよ。マリノスの人たちも! 行けよ。念願の俊輔…。

城崎 待たれても困ります。だったらまだ僕は、フロンターレに・・・。

久井 なぜか、なんかちょっと、僕がマリノス派みたいになってて、城崎さんがフロンターレ派みたくなってる。

城崎 ナビスコの時に、お前が親と温泉行ってたからだろ。Tさんが普通に怒ってたからね。「なんでこねえんだ、温泉とナビスコ、どっちが大事だ?」ってそりゃ温泉なんじゃないすか?って(笑)。僕も温泉行きたいですよ。あのクソ寒い中、あんな朝早くから・・・。でも無駄にフロンターレについて詳しくなっていってるからね。

山田 でもいいじゃん、そういう意味ではお前、フロンターレに愛着湧いてきただろ。登里とかさ。

城崎 ノボリね。

山田 ノボリっていう言葉がでてくる時点でもうおかしいんだよ(笑)。ノボリっていったら普通は澤登だろ!

城崎 僕的には、ノボリって行ったら登里なんで。すごい人気だった。ノボリーっ!!って。ふたりして、誰?誰?って。

山田 みんな、若手には温かいよな。クラブのサポーターしか知らないような選手には。そういう部分も本当はもっと知りたいんだよね。

オレの中で「サカつく」やった中でのヒット企画は、選手の特徴をつけるために行った投票。「サカつくをつくろう」。あの結果は本当に面白かった。ああいうので、「ファンサービスに熱心」とかさ、「このOBに出てきて欲しい」とかさ。こっちからすれば、予想外の選手が来たりするわけじゃない。この選手にはキャプテンシーがあるとかさ。やっぱり、試合に出てるキャプテンとは別で、チームをまとめてる選手っていうのはサポーターが一番知ってたりするしさ。

久井 ファンサービスなんて特にそうですよね。実際に触れ合っているサポーターにしか分からないですからね。

山田 ああいう、サポーターしか知り得ないところを、ある意味みんなが納得する形で入れられたっていうのはオレの中ではデカイところかな、という気はする。まあイケメンは賛否両論あったようだけれども(笑)。だって、JFLから上がってきたばかりのクラブとか、普通だったらそんなところ調べられないんだから(特徴が)つかないわけでしょ?だから、みんなで「サカつく」を作ってくれれば、オレはそれが有り難いんだけどね。37クラブのさ、この選手はこういう人だって教えてくれて、この選手はこういうふうにしてくれって人がいて、レポートあげてきてその通りにつくるとかさ。一番いいことなんだけど。

城崎 「俺がパラメーターつけたい」って人はいっぱいいますもんね。

山田 それは、いっぱいいる(笑)。例えば、「フットボールマネージャー」に関しては、あれは世界中ににそういう人がいるんだよ。

久井 ああ、そうなんですか?

山田 あれは、「フットボールマネージャー」を買うファンが、レポートみたいなのをまとめて送っているんだよね。この選手はこのくらいの能力で、週給いくらで、契約期間は何年あって、どこのポジションができて、とかそれを、送られてきたのを集めてデータ化してる。だから、かなりマイナーなリーグとかの良くわからないとこでも、すごい下部のリーグでもちゃんとメンバーがいて、パラメーターも結構それなりについてるわけ。

「突撃体験記」これからの展開。

城崎 37クラブかあ。

久井 結構行ったな、って言ってもまだ6クラブですからね。

山田 関東近辺で行ってないとこってあとどこだろう?

城崎 鹿島、柏、千葉…浦和…

山田 湘南も行けなくはないね。ああ、ヴェルディも行ってないね。近場でもまだあるっちゃあるな。

久井 湘南は面白いって言いますよ。あそこは、ホームタウンでの地域振興活動が活発だって。クラブ側でもそうだし、サポーター側でもそうだし、と。

山田 ベルマーレも一度J1上がった後に大変な時期を迎えたからね。そういう危機感を持って、みんな頑張ったりしてるんじゃないかな。

久井 だから、マリノスの人たちも、湘南がJ2にいるあいだは普通に観に行っていたって言ってましたよ。まあ今季からは湘南もJ1に上がったから応援しないって言ってましたけど(笑)

山田 そういうところは、Jリーグ愛もあるな。仲間意識というかさ。

城崎 他のスポーツよりも、「俺らが支えている」感が強い。

山田 だから、あのバブル的な人気が過ぎ去った後にここまで、ちゃんと観客動員できてるっていうのは実はすごいこと。ビジネス的には本当はもっと広がりが欲しいんだろうけどさ、でも平均であれだけ客集めてるんだから、すごいと思うよ。

・・・で、これからどうする?

久井 一応、いずれ全クラブ制覇してみたいという気持ちもあるんですが・・・

城崎 マジで!?おれも一緒に!?

久井 実はすでに断られたところとかもあるので・・・前途多難です・・・。

山田 じゃあ、久井のライフワークということで一応続けるか(笑)突然お願いすることがあるかもしれませんが、みなさん温かく迎えてあげてください!ということで。

「サカつく6」アップデートプログラムの配布

山田 ところでさ、話は変わるんだけど「サカつく6」のアップデートプログラムが公開になってるんだけど…。

久井 ダウンロードして、いままた、いちからやっています。いちユーザーとして。いろいろとパワーアップしていますよね。
山田 COMの人事思考が変わったところが大きいところかな。敵クラブがすごい補強をしてくるようになって、より手強くなってるし、選手の獲得年齢なんかも代わってるので、クラブ編成も今までより自由度がある感じ。あと、クリアデータがあれば、10億円プラスして始められるから、Jのクラブで始めるときは最初からベストメンバーを雇って開始できるっていうのは大きなポイントかな。城崎なんかは特にうれしいだろ、10億円プラスは。

城崎 そうですね、やっぱり自分のクラブは最強じゃなきゃ気がすまないから。最初の方、負けまくるの、ヘコむんですよね。

久井 ともかく、また、より長く遊べるようになっていますので、ぜひアップデートしてください。

「サカつくDS ワールドチャレンジ 2010」 は5月27日発売です!!

山田 じゃあ、最後に、いま2人は「サカつく6」を終えて、別々のプロジェクトにいるわけだけどそれぞれのプロジェクトのPR的なものをお願いしようかな。久井から。

久井 僕はいまは、「サカつくDS ワールドチャレンジ 2010」というタイトルを開発中です。前作の「サカつくDS」の楽しさはそのままに、いろいろと新規要素が盛り込まれています。

山田 具体的には?

久井 本編で大きなところは、Jリーグを飛び越えて、イングランド、イタリア、スペインの欧州3大リーグにチームごと移籍できるっていうところでしょうか。これって実はJリーグ版「サカつく」では史上初めてなんですよね。カップ戦で海外のクラブと闘うっていうのはもちろんあったし、「サカつく6」にもワールドプレミアシップという、世界の強豪チームが集うリーグはありましたが。自分のチームごと、どこかの国のリーグに移籍できるっていうのは初めて。

山田 Jリーグ制覇だけじゃ終わらないんだね。っていうことは、より歯ごたえがある、と。

久井 そうですね。そして長く遊べる。あと、別モードとして、インターナショナルモードでは、日本代表や、各国代表を率いて世界一を目指すというモードも用意してあります。前作で要望が多かった、Wi-Fiにも対応しているので、全国のプレイヤーとも戦うことができますよ。

山田 ワイヤレスだけじゃなくて、遠くの人たちとも対戦できるわけだね。

久井 はい。これが熱い。やっぱり、自分が育てたチーム同士で戦わせるのは熱くなりますよね。開発チーム内での、ネットワークのチェックはいつも盛り上がってますよ。あと、今回は「すれ違い通信」にも対応しています。すれ違い状態で、他のユーザーとすれ違えば、「抽選券」をもらえるんですけど、「抽選券」をひくことで、レアな選手をゲットすることが出来たりもします。DSなんで、サッカーを観にスタジアムに行くときのお伴に持っていってもらって、待ち時間にプレイしたり、試合中はすれ違いモードにして、「抽選券」をゲットしたり、っていう感じでこのゲームと付き合っていただけたらいいかなと思いますね。

山田 なかなか盛りだくさんな内容だね。ズバリ、面白い?

久井 面白いですね! 本当にやりごたえのある内容となっています。「サカつくDS ワールドチャレンジ 2010」は、5月27日発売予定です! 宜しくお願いします!

何も言えないですが期待してください!

山田 城崎の方は?まあまだあまり言えないことが多いわけだけど。

城崎 僕が関わっているタイトルに関しては、ほとんど何も言えないんですけど…、ま、具体的なことは何も言えないですけど、とにかくすごいですよ!これはもういろいろな意味で。

山田 なんだよ(笑)。でも、その感じだと、期待していいってことかな?

城崎 はい!ぜひ期待して詳細を待っていてください! きっと、びっくりするはずです。

山田 それだけ言うなら楽しみだね。続報を待つとしようか。それじゃあ今日は2人とも、お疲れ様でした。

城崎・久井 お疲れ様でした!